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 第1回佐世保PEGワークショップ参加から歯科を思う
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11月29日(木)は第1回佐世保PEGワークショップでした。

 

PEGとはいわゆる「胃ろう」のことです。
在宅においては歯科医師もこれに関わります。
恥ずかしながら、私たちの学生時代には「歯科」では
PEGについて学習したことはありませんでしたね。

 

PEGワークショップは県北地区では今回が初とのことでしたが、
この手の多職種連携の研修会・ワークショップはとても人数が多く、
真摯に医療に向かい合う多職種の方々の熱い思いを感じました。

 

私たち歯科医師は訪問歯科診療の場では
『「逆流性胃炎」により「誤嚥性肺炎」に…』と結果だけ聞くことはあっても、
どのような経過でそのような自体に陥っていったのかは聞けません。

 

今回のワークショップでは香川の千里リハビリテーション病院副院長合田文則先生の講演がありましたが、
胃の働きについて、私たちのような専門外の人間にとっても、
内容がとても分かりやすく、
在宅医療に関わる多職種の方々と同じプラットフォームを少し持てました。

胃の働き、伸展受容器、日内リズム、液体栄養剤症候群、半固形化栄養、
そして胃ろうとその適応と手技、誤解、カロリーとリハビリテーション、、、
いつもの歯科の研修会だけでは拝聴することはできませんね。
参加してとても良かったと思います。

ー歯科についてー

これは語弊もありますが、
私は歯が合わさるだけの総義歯(総入れ歯)は必要ないと思っています。
歯科に必要だと考えるのは
1、力を入れて噛みしめる(咀嚼)
2、安全に飲み込む(嚥下)
3、必要なカロリーと栄養を取り入れる
4、生命を存続させる
5、それらに加えてQOL(生活の質)。

1本1本の歯はとても大切で、先日の歯内療法の研修会を行ったこと、
当院でよく行う審美的な改善の治療、
義歯やインプラントなどの補綴による咬合の回復など
歯科の本懐だと思っています。

しかし歯科医療はあくまで医療の中の一分野でしかありません。
私は歯科は医科や多職種と連携をして、初めて医療の一部になれると思うのですが、
手術前後の周術期の管理、訪問歯科診療など
歯科医院によっては、未だ協力を得られない場合もあります。
そういう意味ではまだ歯科は独りよがりでガラパゴス状態かもしれません。
(保険点数、経営的な条件でコミットできない面も否定できませんが)

それでも

「誰のための医療か?」
「何のために医療従事者になったのか?」

と、自らの立ち位置を思い出し、
今後も歯科と多職種が連携し、
地域に根ざす歯科医院として、
診療をしていきたいと思っています。

 

 

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