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Blog・Newsペリオスコピー 〜ファイバースコープで歯周ポケット内を確認する治療(保険診療)〜

ペリオスコピー 〜ファイバースコープで歯周ポケット内を確認する治療(保険診療)〜
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 今回はペリオスコピーによる歯周病の歯石除去などの効果についてお話ししたいと思います。

 

 ペリオスコピーとはどのような治療器械でしょうか?

 まず器具・器械の説明としましては、これはファイバースコープで歯周病の原因となる、特に歯周ポケット(歯肉と歯ぐきの歯のすき間)の内部・深部の「歯石」をモニター状で確認する歯科医療用器械です。モニター状で確認しながら、超音波スケーラー(歯石を取る器械・当院では主にP−maxを使用)で歯石バイオフィルムを明視野において確実に除去していきます。

 

 ペリオスコピーをなぜ使用する必要性があるのでしょうか。

 当院においても必ずしもペリオスコピーは患者さん全員に使うものではありませんが、このペリオスコピーについて歯周外科治療にも触れながら、説明したいと思います。

 歯周病治療において歯周外科治療(主にFOP:フラップ手術)があります。通常の歯周基本治療では歯周ポケットが7ミリ以上あるものは歯石の除去が困難です。

(日本歯周病学会・歯周治療の指針2015より引用:5 7 mm の歯周ポケット深さに対する歯周ポケット減少量は,約 2 mm で, アタッチメントゲインは,約 0.5 1 mm と報告されている。)

 

 歯周治療の再評価の検査において歯石の除去が通常の治療では困難で予知性(治り)が悪いとされた場合は歯周外科治療が検討されます。

 しかしながら、歯肉の手術が歯周外科治療は大学病院ではいざ知らず、開業医においては治療の必要性があるのにも関わらず、外科処置は患者に同意を得られないこともしばしばあります。また、最近では基礎疾患の既往(脳梗塞心筋梗塞高血圧糖尿病など)があられる方や歯科恐怖症の方も相対的に増えてきました。開業医はリスクが高い治療を把握して、根治的ではなく、治療は可及的な範囲に留めておく必要性も出てきたように思えます。

 このペリオスコピーと超音波スケーラーによる治療は局所麻酔こそ行いますが、歯周外科治療のようにメスで切開を入れずに歯周ポケット内だけを追求できます。(逆にいうと歯周ポケット内だけしか追求はできないのですが)しかしポケットによっては根尖部(根の先)や根分岐部(根のふたまたの付け根)まで明視野で追求して確認できるため、ブラインド(盲目的)な手探りで行うことはなく、通常の歯石取り(デブライドメント・SRP)より安全確実に歯石を除去できます。治療による歯肉の傷口もより小さく、出血も少なくすることができます。

 治療で傷つける範囲が少なければ、周囲の組織はダメージが少ない上に傷口は小さく、結果、治癒は早くなります。このようにペリオスコピーと超音波スケーラーによる治療は基礎疾患の既往があったり、治癒の形を考えなければいけない歯周病罹患患者にとって少ない侵襲(ダメージ)で行うことが可能な良い治療法といえます。

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http://www.morimura-jpn.co.jp/product/perioscopysystem/

モリムラのペリオスコピーのホームページはこちらです。

なお、当院においてこのペリオスコピーによる歯石除去は保険診療で局所麻酔(歯科でいう浸潤麻酔)下にて施術しています。