Blog・News上顎側切歯と犬歯の埋伏に外科的挺出を行い、本格矯正治療を行った一例
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この患者さん… 初めての頃はむし歯の治療でもちょっと歯科が恐かったりしたのに、よく頑張ってここまで治したなあ、と、感慨深くなっています。
歯の萌出遅延だったので、本格矯正治療と外科的なアプローチを行った症例です。
*この症例はホームページ公開することについて本人家族の了解を得ています。
*この治療は保険診療ではなく、自由診療(自費)によるもので費用はページ最後に記載してあります。
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上顎前歯、右上2「側切歯」がレーザーで開窓しても(穴を開けても)、出てきて位置が変わることはありませんでした。少しイヤな予感がしたので、歯科用コーンビームCT(以下、CT)によるエックス線撮影を行うこととなりました。
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CT撮影により、なぜ上顎側切歯が萌出してこなかったか、判明しました。
埋伏している右上の犬歯が、真ん中の中切歯の根尖(根の先)付近にあり、側切歯の根を押さえ込むような形で存在していました。
だから側切歯は切端(=前歯の先端)が前方に向くような形で位置していたのか、と判明すると同時に治療計画に頭を抱えます。
このご家族は諸事情で時間的なリミットもありましたが、もし治療するのであれば、混合歯列期の時期(当時の「今」)に手をつけた方が良いように思えたことと、ご家族の強い希望があったので、本格矯正治療を始めることとなりました。
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患者さんは当時はまだ少し恐怖心があられたので、笑気ガスによる鎮静下、局所麻酔(歯科でいう浸潤麻酔)を行い、慎重にメスを入れます。
中切歯右上1部根尖部の骨をソロソロと注意深く削去、術者といえど、小学生の薄い骨を切削するのは抵抗があるものです。
右上3犬歯の歯冠をCTで確認した通り、右上中切歯の根尖部に、確認し、
右上3犬歯にリンガルボタンという矯正用装置をセット、スレッドという糸状のゴムでひとまず右上4を固定源とし牽引できるようにします。
そしてその上から縫合を行い、上顎の他の永久歯にもブラケットという矯正用装置を歯に付け、柔らかいニッケルチタンのワイヤーで高さを揃えることから始めます。
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下顎についても永久歯の萌出を促すため、乳歯の抜歯を行います。
治療はどんどん進んでいきます。
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こちらが動的移動期間を終了した状態です。
治療期間:H29.9.24 ~ H31.3.9 約1 年 5 ヶ月
この患者さんは非抜歯で治療開始し、早期で終了しました。
*治療期間の長さは状態の違いにより個人差があります。
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CT撮影によるビフォーアフターです。
治療できた範囲ではよく改善していますが、リテーナー(保定装置)による緊密な咬み合わせを構成していくことと、将来生えてくる親知らずなど、まだ課題は残っているので、フォローしていくことが大事になってきます。
これから保定治療(後戻りを防止する治療)に入りますが、
「保定」はとても大事で、当院においても、指示に従っていただけなかったために、残念なことに「後戻り」を起こして再治療になられる方もいらっしゃいます(再治療は別途費用が必要となります)。
一度、良い状態で終わらせたお口の中、歯並びです。
その人にとって一生ものの宝として残っていくことを祈っています。
*ワイヤーによる本格矯正治療 関連費用・価格('20.1月現在)
初期費用:メタルブラケット¥500,000-(税別)標準の金属のパーツ
セラミックブラケット¥600,000-(税別)目立たない白いパーツ
CBCT・セファロ撮影、分析:¥30,000-(税別)
ディグマによる咬合診査:¥30,000-(税別)
ワイヤーなど調整料(1ヶ月に1〜2回):¥5,000-(税別)×回数
動的移動期間終了後の保定装置:¥20,000-(税別)~¥40,000-(税別)
*治療の期間や効果は個人差があります。