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Blog・News改めて今後施行される国民皆歯科健診を考える(希望)

改めて今後施行される国民皆歯科健診を考える(希望)
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今回のブログは堅苦しくて面白みもありません。大変申し訳ありません。しかしながら「国民皆歯科健診」(こくみん・かい・しか・けんしん)についての雑感を少し述べていきたいと思います。

 

先日、業者より「国民皆歯科健診」に関するアンケートを受け、改めて考えてみました。私は口腔の健康管理、関わりのある全身疾患の予防の可能性、在宅へのサポートという点から「賛成」です。

いつまでも美味しく食事をするためには歯、口腔の管理は不可欠です。

ですから「国民皆歯科健診」を制度として行うことはとても良いことだと考えます。

参考1:日本歯科医師会

「経済財政運営と改革の基本方針 2022」への日本歯科医師会の見解

https://www.jda.or.jp/jda/release/cimg/2022/20220608.pdf

参考2:経済財政運営と改革の基本方針 2022 について
令和4年6月7日 閣議決定

2022骨太の方針P33

https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/cabinet/2022/2022_basicpolicies_ja.pdf

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「国民皆歯科健診制度について率直にどう思いましたか?」

>しかしながら、施策の内容としてまだ何も決定しておらず、先日の参議院選の際の票取りとしかなっていない、とも考えています。(3〜5年後と言われています。)早期の実現をお願いしたいところです。

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「今回の国民皆歯科健診制度に税金が使われる点についてどう思いますか?」


>非常に良いと思っています。

 
「上記回答理由について教えてください。」

 

>歯周病など全身疾患との関わりを指摘されているにも関わらず、自治体の医科の特定検診に比較して、歯科はプアーな状態です。

行政における歯科の権限はあまりにも弱く、例えば、口腔崩壊をしている、言ってみれば歯科難民である地域住民の口腔内にアプローチする機会があまりにも少ない状態が現状ではないでしょうか。

健康寿命を伸ばすには歯科健診と予防が不可欠。また特に在宅患者は手厚い公的な手助けがあって然るべきで、自力で通院できる患者ばかりではないことを忘れてはいけません。

口から食べる」ということはほとんどの人のQOLに繋がっていく大事なことです。

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「今回のユーザーアンケート結果にもある通り、(歯科の)35%の人が全身疾患予防の為にオーラルケアが大切ということを知りません。この数値についてどう思いますか?」(今時の歯科の先生は35%も知らないのか!?)

参考3:

参議院議員山田宏氏オフィシャルサイト

>国や歯科医師会、議員からは一定の発信(上述のリンク確認)はすでにされています。

ユーザー(注:アンケート対象者のこと)が知らないことについて、申し訳ない言い方ですが、歯科医師会に入会されていない「非会員」の方が多いことが考えられ、地域のための活動や自治体・行政や地域包括などに接する機会も極めて少ないので、情報量が少なくなってしまっている結果だと考えます。

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「自院で口腔内環境が改善された事により、他の病気が治った、身体の調子が良くなったなどの事例はありますでしょうか。」

>糖尿病の検査数値であるHbA1cが改善し、モチベーションが上がり、快方もしくは良好な状態が維持されている方もいます。

*しかしこれら当院の結果について、ベースライン(検査値や病状)が一定でない歯科受診者全員に保証されるものではありません。また検査値の改善は適切な歯周病の治療を受け、その上、地域の内科と連携した上でのことです。

 

参考4:糖尿病患者に対する歯周治療ガイドライン改定第2版

P34歯周治療は HbA1c の改善に有効ですか?

 

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「歯科健診に力を入れている、得意としている医院の特徴はありますか?どのような点を見て判断すればいいでしょうか。」

>保険診療であれば歯周病のメインテナンスSPTを継続してしっかり行なっているかどうか。歯科健診は健康維持・健康寿命延伸のとっかかりに過ぎず、大事なことはその後の継続管理で、患者が安心して通える歯科医院となっているかどうかと考えます。


また、口腔機能検査をしっかりやっている医院は、オーラルフレイルも念頭にあると思われ、う蝕のみならず、口腔の健康や疾病予防の概念も高い医院が多いと言えるのではないでしょうか。

参考5:

日本歯科医師会・国民の皆様

オーラルフレイルについて

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「国民皆歯科健診制度が実施されたら、患者さんの意識が変わり、歯科医院への通院頻度があがると思いますか?」

>医院の取り組みの違いによる差が出てくることも考えます。

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「上記回答理由について教えてください。」


>国民皆歯科健診における歯科医院の通院頻度について、特にライフステージ毎に対策を用意できるかが、患者や患者家族の意識を変える鍵になると考えています。

国の制度の制定はまだなされていないので、制度の内容を確認できません。

では対策できないのか、と言うと、従来から我々の先達により、方向性や内容は示されていて、おおよそ、その内容は政策に入ってきております。

今後は国是をコンセプトに入れ、対応できる歯科医院が患者の通院頻度を上げられると考えます。

*国是(こくぜ)… 全体が正しいと認める,一国の政治上の方針のこと

 

参考6:厚労省 地域包括ケアシステム


結語:

このアンケートは通院頻度の予想などが目的でしたが、在宅患者へのアプローチが念頭にありませんでした。ただ患者一個人ではなく、患者家族や縁者、ケアマネージャー、ヘルパーなど「キーパーソン」を入れた「人間関係」で包括的に取り込むことを想定して、我々歯科は取り組んでいかねばなりません。

世間一般のイメージでは必要性がない歯科健診や検査を無理やり受けさせられる…という部分もあるのではないでしょうか。

しかしそれは歯や口の「痛み」や食べられない「悲しさ」「苦しさ」を知らない人の意見・サジェッションです。

どんな人でも口の管理をせずに生き永らえることはできません。歯科は必要なものです。

生命とQOLの観点から国民皆歯科健診を見直してみました。

あまり面白くない内容だったと思いますが、最後までお付き合いいただき、読んでくださった方はありがとうございました。